第10話|デイサービス管理者の仕事は何をしているのか 現役管理者の1日を全部書く

デイサービスの管理者は、実際に何をしているのでしょうか。
介護職として働いていた頃、私は正直こう思っていました。
「管理者って現場に出なくていいし、パソコンを見てるだけで楽そう」
でも、実際に管理者になってみると、想像とはまったく違いました。
管理者の仕事は、現場・書類・経営・人間関係を同時に回す仕事でした。
今回は、現役デイサービス管理者のリアルな1日を書いてみます。
朝は送迎から始まる
私は会社の許可をもらって、送迎車で通勤しています。
朝はだいたい7時50分に家を出発します。
そのまま利用者さんのお宅へ迎えに行きます。
送迎車は軽自動車なので、3名の利用者さんを迎えて9時までにデイサービスに到着します。
管理者の朝は、机の前から始まるわけではありません。
利用者さんを安全に迎えに行くところから、もう仕事は始まっています。
朝はバイタル測定と情報共有
デイサービスに着いたら、まず行うのは
- バイタル測定
- お茶出し
です。
これは
- 介護スタッフ
- 看護師
と一緒に行います。
その後、
- 提供表への実績記入
- 電話対応
などを行います。
バイタルの結果によって、
「今日は入浴を控えるか」
「運動はどこまで行うか」
などをスタッフ全員で相談して決めます。
ここで感じるのは、管理者は指示だけしていればいい仕事ではない、ということです。
現場の状況を見ながら、その日の安全ラインを決めていく必要があります。
午前中は書類業務
午前中は、
- 計画書作成
- シフト作成
- 来週の業務日誌
- ケアマネとの連絡
- 利用者家族との連絡
などを行います。
ただ、これは最近できるようになったことです。
2年前までは現場100%だった
実は2年前までは、日中100%現場に出ていました。
そのため、書類業務はすべて残業でした。
現場が終わったあとに書類を書く生活だったので、かなり大変でした。
「日中は現場、書類は全部あとで」
これを続けると、管理者はかなり削られます。
現在は現場30%まで下がった
スタッフ教育が進み、現在は現場30%程度になりました。
その結果、書類業務を日中に進めることができるようになりました。
ただ、その代わり利用者さんから、
「管理者さん、最近来てくれないやん。寂しい」
と言われることもあります。
その時は、私の右腕のスタッフがしっかり対応してくれています。
ここは管理者の難しいところです。
現場を離れないと書類が回らない。
でも、離れすぎると利用者さんとの距離が出る。
このバランスをずっと取っています。
昼休憩は最近やっと取れるようになった
午前の部は9時〜12時です。
12時から送迎に出て、午後の部が始まる13時30分までの間に昼休憩を取ります。
でも、実は2年前までは昼休憩はありませんでした。
送迎の車を運転しながら、おにぎりを食べるのが昼ごはんでした。
管理者になったから休める、というわけではありません。
むしろ、仕組みが整うまでは休憩のほうが消えます。
午後の部も同じように進む
午後の部は13時30分〜16時30分です。
ここでも
- バイタル測定
- お茶出し
- 実績入力
などを行いながら、書類業務を進めます。
ただ実際には、予定通りに進まないことも多いです。
電話が鳴る。
家族連絡が入る。
スタッフから相談が来る。
ケアマネ対応が入る。
書類だけやっていればいい時間は、ほとんどありません。
管理者の仕事はとにかく多い
1日の中で、こんな仕事も入ってきます。
- 社長や会長からの呼び出し
- ケアマネのパソコン相談
- 物品の買い物
- ガソリン給油
- 業者連絡
- ケアマネとの連携
- 利用者家族への連絡
- 運営推進会議の準備
- 市役所との連絡
- スタッフからの相談
そして、
書類、書類、書類。
気づいたら1日が終わっています。
管理者の仕事は「これだけやれば終わり」がありません。
送迎後はほぼ残業になる
16時30分から送迎に出ます。
デイサービスに戻るのは、だいたい17時30分頃です。
そこから書類業務をして、デイサービスを出るのは19時頃です。
介護職の頃は、管理者は楽そうだと思っていました。
でも今は逆で、送迎が終わってからが、もう一つの本番だと感じています。
管理者になって驚いた仕事もある
管理者になって驚いた仕事もあります。
- デイサービスの畑の管理
- 利用者さんの引っ越しの手伝い
です。
お金がない利用者さんのケアマネから相談されて、引っ越しを手伝ったこともあります。
「管理者ってここまでやるのか」
と思いました。
制度や書類だけではなく、地域の暮らしそのものに巻き込まれる。
それも、この仕事の現実です。
一番プレッシャーなのは稼働率とLIFE
私の場合、一番プレッシャーなのは稼働率です。
70%を切ると、胃が痛くなります。
また、LIFE(科学的介護推進体制加算)の管理もかなり気を使います。
利用者全員の情報を3ヶ月に1回必ず提出しなければならず、1人でも漏れるとその月の介護報酬が返戻になります。
それなのに加算は、月40単位(約400円)です。
リスクに対してリターンが小さい制度です。
でも、取っている以上は落とせません。
ここも管理者のしんどさだと思います。
管理者の仕事は「楽」ではない
介護職の頃は、
「管理者って楽そう」
と思っていました。
でも実際は違います。
今は、
- 過去
- 現在
- 未来
すべてを考えながら動いています。
利用者の体調。
事故リスク。
スタッフの心理。
稼働率。
すべてにアンテナを張っています。
管理者は、今日だけを見て働く仕事ではありません。
今ある問題と、これから起きる問題の両方を見る仕事です。
これから管理者になる人に伝えたいこと
最後に、これから管理者になる人へ。
少し冷たい言い方かもしれませんが、
最後に責任を取るのは自分です。
だから、信じられるのは自分だけという覚悟は必要だと思います。
もちろんスタッフは信頼しています。
でも、最終的に責任を取るのは管理者です。
これが管理者という仕事の一番重い部分かもしれません。
まとめ|管理者の1日は、現場だけでも書類だけでも終わらない
デイサービス管理者の仕事は、
- 現場
- 経営
- 書類
- 人間関係
すべてを同時に回す仕事です。
楽な仕事ではありません。
でもその分、
稼働率が上がったとき
スタッフと作戦が成功したとき
この仕事をやっていて良かったと思います。
勘違いしやすいのは、管理者は現場を離れてパソコンを触っているだけだと思うことです。
一番危ない見落としは、管理者が背負っている「同時進行の責任」を見落とすことです。
現場も、数字も、制度も、人も、全部がつながっている。
それを一日中回し続けるのが、デイサービス管理者の仕事だと思っています。
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