デイサービスの利用者を増やしたい。

そう思った時、多くの管理者はまず営業を考えると思います。

私もそうでした。

でも、実際に営業してみて分かったことがあります。

営業は必要です。だけど、営業だけでは利用者は増えません。

今回は、真夏の和歌山で30件営業して紹介ゼロだった時の話と、そこから気づいた「営業より強いもの」について書きます。

真夏の和歌山で、30件回って紹介ゼロだった

あれは7月の真夏でした。

和歌山の夏はとにかく暑いです。
気温は30度を軽く超え、外に立っているだけで汗が噴き出してきます。

それでも、利用者を増やすためには営業するしかないと思っていました。

私は車で居宅介護支援事業所を回りました。

その数、30件。

チラシを持って、一軒一軒回ります。

でも現実は、想像以上に厳しかった。

玄関を開けてもらえても、中に入れてもらえることはほとんどありません。

ドアを少しだけ開けて、顔だけ出される。

そして言われるのは、だいたい同じでした。

「忙しいので」
「もうデイは決まってるので」

ある居宅では、はっきり言われました。

「忙しいんだから、もう来ないで」

怒ったような口調でした。

その瞬間、胸がぎゅっと締め付けられる感覚がありました。

自分が否定されたような気分でした。

営業のたびに、手が震えていた

正直に言います。

営業に行く時、いつも手が震えていました。

断られるかもしれない。
嫌な顔をされるかもしれない。

そう思うだけで、体が緊張する。

真夏の炎天下で汗はびっしょりでした。
でも、それは暑さだけではありません。

緊張と不安で、体中から汗が出ていました。

30件回りました。

結果は、

紹介ゼロ。

たった1件もありませんでした。

車の中で、しばらく動けませんでした。

そこで気づいた「営業より強いもの」

その時、私は考えました。

「このまま営業しても意味がないのでは?」

営業で利用者を増やすのは、もちろん必要です。

でも、それ以上に強いものがあります。

それが、口コミです。

実際、最初の利用者紹介は営業ではありませんでした。

利用者さんの家族からの紹介でした。

「ここ、いいよ」

その一言が、新しい利用者につながったんです。

営業より口コミが強い。
この感覚は、現場をやっていると本当に重いです。

私は連絡帳をやめました

そこで私は、一つの決断をしました。

それまでのデイサービスでは、連絡帳に感想文のような文章を書いていました。

「今日は楽しく過ごされました」
「体操を頑張られていました」

そんな長い文章です。

でも私は、それを全部やめました。

連絡帳に書くのは、

  • バイタル
  • 次回利用日

それだけにしました。

文章を書く時間を減らして、利用者と関わる時間に変えたんです。

その代わり、デイサービスの中を変えた

スタッフにはこう伝えました。

「とにかく会話を増やしてほしい」
「利用者さんと一緒に運動してほしい」

リハビリも、ただ指導するだけではなく、

  • 一緒に運動する
  • 一緒に笑う
  • 一緒に会話する

そういう時間を増やしました。

ここで変えたかったのは、書類の形ではありません。

利用者さんが「ここに来たい」と思う体験の質でした。

すると口コミが起き始めた

すると、少しずつ変化が起きました。

スタッフが言うんです。

「近所のおばあちゃんが興味あるみたいです」
「一緒に運動してた人が来たいって言ってます」

スタッフの近所の高齢者。
運動仲間。

そういう人たちが、少しずつ増えていきました。

営業ではありません。

口コミでした。

デイサービスの営業で一番強いもの

私が営業30件回って分かったことがあります。

それは、

サービスの質が一番の営業になるということです。

どれだけチラシを配っても、
どれだけ営業しても、

サービスが良くなければ人は来ません。

でも、サービスが良ければ、利用者さんや家族が自然に紹介してくれます。

営業は入口です。
でも、口コミは結果です。

そして結果のほうが、ずっと強い。

利用者が集まらない管理者へ

もし今、利用者が集まらず悩んでいる管理者がいるなら、私はこう伝えたいです。

営業も大事です。

でも、それ以上に大事なのは、デイサービスの中です。

利用者が楽しいと思うか。
家族が安心するか。
また来たいと思うか。

そこがすべてです。

営業を強くしたいなら、先に中を強くする。
この順番を外すと、かなり苦しくなります。

まとめ|営業しても決まらない時は、外より中を変えたほうがいい

デイサービス営業30件回って紹介ゼロだった。
これはかなりしんどい経験でした。

でも、その経験があったから分かったことがあります。

営業より強いのは、口コミです。

そして、口コミを生むのは、サービスの質です。

勘違いしやすいのは、利用者が増えない理由を営業不足だけで考えることです。

一番危ない見落としは、外へ売り込み続けながら、中の体験価値を変えないことです。

営業は必要です。
でも、最後に選ばれるかどうかは、現場の中身で決まる。

私は今でも、そう思っています。


次に読むべき記事
第17話:ケアマネ紹介の条件
→ 営業しても決まらない理由の次は、紹介が回る条件を見たほうが早いです。

別角度で読む記事
第18話:体験利用を契約につなげる方法
→ 体験まで来た人をどう契約に変えるかを見るならこちらです。

ハブ記事
リハビリ特化型デイサービス管理者の仕事ロードマップ
→ 管理者の仕事全体をまとめて追いたい方はこちら。

ABOUT ME
リハビリデイ管理者
リハビリ特化型デイサービスの現役管理者。 現場運営・稼働率改善・スタッフ管理など、実際のデイサービス経営のリアルを発信しています。 これまで複数のデイサービス事業所で勤務し、稼働率が低迷していた事業所の改善に携わる。 担当した事業所では、稼働率を58.5%から79.8%まで改善。 ケアマネジャーとの関係づくり、紹介数を増やす営業方法、現場オペレーション改善など、 現場経験をもとにした実践的なノウハウをまとめています。 「現場で本当に使えるデイサービス経営」をテーマに、 管理者・生活相談員・デイサービス経営者向けに情報を発信しています。