第17話|ケアマネから紹介されやすいデイサービスの条件|営業より先に整えたい3つのこと

デイサービスの紹介を増やしたくて営業に回っても、なかなか手応えがない。
僕にも、そんな時期がありました。居宅を回り、名刺を渡し、パンフレットを置く。それでも、利用者さんが劇的に増えたわけではありませんでした。
結論
結論から言うと、営業そのものを否定するつもりはありません。ただ、僕の現場で紹介の流れが変わった時、一番変わっていたのは営業回数ではなく、ケアマネさんが紹介先として判断しやすい状態でした。
この記事で分かること
- 利用者さんや職員の雰囲気が伝わる
- 相談への返事と体験利用までの初動が早い
- 受入可否が明確で、難しい時も代替案がある
- 安全上の判断理由を説明できる
- 利用後の様子をケアマネさんへ返せる
この記事では、僕が営業訪問だけでは手応えを得られなかった経験と、紹介が増えた時期に現場で起きていたことを整理します。
結論|紹介されやすさは営業回数だけで決まらなかった
管理者になったばかりの頃、僕は紹介を増やすには営業しかないと思っていました。
実際に居宅を回り、名刺や資料を持って挨拶にも行きました。その場では話を聞いてもらえます。でも、そこから利用者紹介へ直結するとは限りませんでした。
振り返ると、パンフレットを置くだけでは、ケアマネさんが「この利用者さんを任せられるか」を判断する材料が十分ではなかったのだと思います。
僕の現場で紹介の流れが変わった時に積み重なっていたのは、営業の回数ではなく、雰囲気、初動、代替案、安全判断、利用後の報告でした。
営業訪問だけでは利用者紹介に直結しなかった
営業に行ったこと自体が無駄だったとは思いません。事業所を知ってもらう機会にはなります。
ただ、僕の経験では、営業へ行けば利用者さんが増えるという単純な流れにはなりませんでした。行った直後に紹介が増えるわけでもなく、手応えは薄かったです。
ケアマネさんも忙しく、多くの事業所と関わっています。その中で紹介先として思い出してもらうには、挨拶や資料だけではなく、実際に相談した時の返事や受入れの姿勢まで含めて伝わる必要がある。僕は後からそう考えるようになりました。
紹介が増えた時、現場で重なっていた変化
紹介が増え始めた時、現場では次のような変化が重なっていました。
- 利用者さんが楽しそうに過ごしていた
- 職員の表情が明るかった
- 体験利用までの動きが早かった
- 家族さんへの説明が丁寧だった
- ケアマネさんからの相談へ早く返事をしていた
気づけば、病院系居宅からの紹介が増え、営業を頑張っていた時よりも自然に利用者さんが入る流れができていました。
2023年ごろは高稼働期でした。週100枠の定期利用枠のうち、約95枠が埋まる状態になりました。
数字の読み方に注意
これは週間の定期利用予定表の状態であり、欠席やキャンセルを反映した月間実績の数字ではありません。また、この数字だけで、現場改善が紹介増加の原因だったと証明できるわけでもありません。
それでも僕にとっては、「営業で取った」というより、「紹介されやすい状態ができていた」と感じる出来事でした。
ケアマネが紹介しやすいデイサービスの3つの条件
僕が現場で感じた条件は、大きく3つです。

雰囲気から「安心して通えそう」と思える
体験利用に来た時、利用者さんが楽しそうか。職員の表情が固くないか。現場がピリついていないか。
この空気は、利用者さん本人や家族さんにも伝わります。僕は、まず「ここなら安心して通えそう」と感じてもらえる雰囲気がなければ、その先には進みにくいと考えています。
雰囲気は営業資料だけでは伝えにくい部分です。だからこそ、体験利用の時間に現場そのものが見られているという感覚を持つようになりました。
相談から体験利用までの初動が早い
紹介の相談が来た時、返事が早い。体験日がすぐ決まる。必要な情報の確認がスムーズに進む。
反対に、折り返しが遅く、受けられるのか受けられないのかが曖昧なままだと、ケアマネさんは次の判断へ進みにくくなります。
すぐに受け入れられることだけが大切なのではありません。現時点の受入可否と、次に何を確認すればよいかを早く返すことも、紹介先を選ぶための判断材料になります。
受けられない時も代替案を返せる
相談された条件では受けられないこともあります。
その時に「うちは無理です」で終わるのか。それとも、別の曜日、時間帯、受入れ可能な条件、安全に対応できる別の形を返せるのか。
紹介先として信頼してもらうには、受けられない時の返し方も重要です。受けられない理由と、代わりに提示できる選択肢を整理して返す。僕は、この違いがケアマネさんの判断しやすさにつながると感じています。
次の行動|体験利用・契約
第18話|体験利用を契約につなげる方法
紹介を受けた後、体験利用から契約までの流れを見直したい方へ。
何でも受けることが営業ではない
紹介を増やしたいからといって、相談されたことを何でも受けるのが営業だとは思っていません。
僕の現場で実際にあったのは、次の判断です。
安全上の注意|個別の現場判断
利用者から希望された対応について、体調面のリスクを踏まえてそのまま実施せず、安全上の理由と代替案を整理してケアマネへ返した。
これは医療上の一般基準を示す話ではありません。あくまで、その時の状況に対して僕が行った個別の現場判断です。
その判断を伝えた際には、場の空気が張る場面もありました。
それでも、曖昧に受けるのではなく、なぜそのまま実施しないのか、代わりにどのような対応を考えられるのかを伝える必要があると判断しました。
受けるか断るかだけで終わらせず、安全上の理由、代替案、判断材料をケアマネさんへ返す。僕は、それも紹介先として信頼してもらうために必要な対応だと考えています。
利用者満足を報告・初動・提案へ変える
利用者さんが楽しそうにしていることや、家族さんが安心していることは大切です。ただ、それだけで紹介が安定するとは限りません。
現場で起きている良い変化を、ケアマネさんが次の支援を考えられる形で返す必要があります。

- 相談への返事を早くする
- 体験利用の日程を早く調整する
- 受入可否を曖昧にしない
- 難しい時は理由と代替案を返す
- 利用後の様子を報告する
僕が後から気づいたのは、利用者満足を生むだけで終わらず、それを「報告・初動・提案」という形へ落とし込むことの大切さでした。
営業へ行くことと、現場を整えることは対立するものではありません。ただ、営業に出ている間に現場が崩れてしまえば、紹介が続く土台は弱くなります。
僕にとっては、現場の質そのものが営業になっていた、という感覚です。
次に確認|稼働・収益
第20話|定員10名デイの売上リアル
紹介の流れを、稼働と売上の側から見直したい方へ。
新人管理者が営業より先に整えたいこと
新人管理者に一つだけ伝えるなら、まずは目の前の利用者さんが安心して、前向きに過ごせる現場を整えることです。
利用者さんが元気になる。家族さんが安心する。職員がその変化を見ている。そして、ケアマネさんへ返す言葉がある。
そのうえで、次の順番を確認します。
- 現場の雰囲気は紹介先として見せられる状態か
- 相談への返事と体験利用までの初動は遅れていないか
- 受入可否を曖昧にしていないか
- 難しい時に理由と代替案を返せているか
- 利用後の様子をケアマネさんへ報告できているか
営業訪問が必要な場面はあります。ただ、営業の前後でこの運用が整っていなければ、紹介を受けても信頼を積み重ねにくい。僕は現場を経験して、そう考えるようになりました。
まとめ|現場の質を紹介しやすい形で返す
僕の経験では、営業回数だけで紹介が増えたわけではありませんでした。
紹介の流れが変わった時に積み重なっていたのは、次のことです。
まとめの要点
- 利用者さんと職員の雰囲気が伝わる
- 相談への返事と体験利用までの初動が早い
- 受入可否が明確で、難しい時も代替案がある
- 安全上の判断理由を説明し、ケアマネさんへ判断材料を返す
- 利用後の様子を報告する
営業を否定する必要はありません。ただ、紹介が続く運営を考えるなら、現場を良くするだけでも、営業訪問だけでも足りません。
現場で起きていることを、ケアマネさんが紹介先として判断しやすい形で返す。
それが、僕の考える「紹介されやすいデイサービス」の土台です。
管理者の仕事全体を順番に確認する
紹介、体験利用、稼働を含め、管理者の仕事全体を順番に確認したい方へ。
リハビリ特化型デイサービス管理者の仕事ロードマップ





