デイサービス管理者になって最初にぶつかる壁|人と文化の孤独

デイサービス管理者になって最初に苦しいのは、仕事量だけではありません。
本当にきついのは、スタッフとの関係、利用者との距離感、引き継ぎ不足、そして一人で責任を背負う孤独です。
この記事では、僕が管理者になって最初にぶつかった「人と文化の壁」と、そこから採用と教育で現場を変えていった経験を書きます。
これから管理者になる方、管理者になったばかりで孤独を感じている方に向けた記事です。
デイサービスの管理者になるきっかけは、僕は友人だった社長に誘われたことでした。
社長はわざわざ僕の家まで来てくれて、こう言いました。
「うちのデイサービスはスタッフの仲がいい。いじめとかは絶対ない。」
僕はその言葉を信じて転職しました。
しかし、現実は違いました。
3日でいじめられました。
しかも、少し質の悪いいじめでした。
スタッフは利用者を巻き込んで、僕を攻撃してきたのです。
現在は、リハビリ特化型デイサービスの管理者として、稼働率改善、職員対応、家族対応、書類実務まで見ながら現場を運営しています。
デイサービス管理者として、利用者を巻き込んだいじめに直面した
スタッフは利用者にこう言うのです。
「新しい管理者はダメだ。」
すると利用者は、
「この人は悪い人なんだ」
と思い込んでしまいます。
高齢者ですから、一度思い込むとなかなか変わりません。
僕は管理者として指示を出しても、
「そんなこと言ってたらスタッフはついてきませんよ」
と言われました。
前管理者は本来、数ヶ月引き継ぎをする予定でした。
でも、1ヶ月も経たないうちに辞めてしまいました。
つまり、引き継ぎなしで管理者をやることになったのです。
利用者からも言われました。
営業中、みんなの前で、
「前の管理者の方が良かった」
と。
何もしていないのにクレームも来ました。
ある日、利用者が契約書を持ってきてこう言いました。
「ここに書いてある実施記録、お前取ってないだろ。見せてみろ。」
もちろん取っていないことはありません。
記録を見せると、その人は黙りました。
おそらく何でもいいから、私を攻撃したかったのだと思います。
当時の構図はこうでした。
全スタッフ+一部利用者 VS 新しい管理者
かなりきつい状況でした。
新任管理者はスタッフとの関係づくりでつまずいた
スタッフからは、
- 無視される
- 利用者情報が共有されない
- リハビリの指示をしても何も動かない
といった状況でした。
機能訓練士に
「リハビリの提案をしてください」
と言っても、
「そうですねぇ」
と言うだけで何も変わらない。
社長の前では普通の態度なのに、私の前では明らかに態度が違う。
間違っていることを指摘すると、
「そんなこと言っていたらスタッフがついてきませんよ」
と脅されました。
現場を回す以前に、管理者として立つ土台そのものを崩されていた感じでした。
デイサービスの雰囲気を変えると、利用者の反応も分かれた
僕がデイサービスの雰囲気を変えようとすると、一部の利用者は反発しました。
- 静かに利用したい
- 前の方がよかった
- 器具を増やしてほしい
などです。
ただ、結果的には、9割の利用者は「楽しくなった」「雰囲気が変わった」と言ってくれました。
ここは大きかったです。
全員に嫌われているように見えても、実際には少しずつ空気が変わっていた。
その感覚が、後から分かってきました。
管理者になって2年間、毎日辞めたいと思っていた
正直に言います。
管理者になって、2年間くらいは毎日辞めたいと思っていました。
ただ、負けたくなかった。
それに転職したタイミングは、第一子が生まれてすぐでした。
妻に「辞めたい」とは言えません。
だから僕は、ただ耐えるだけではなく、一つの作戦を取りました。

採用で文化を変える。
採用と教育でデイサービスの文化を変えるしかなかった
求人を出し、前の価値観の人ではなく、
「新しいデイサービスの価値観」
を持つ人を採用しました。
すると当然、
旧職員 VS 新職員
という構図ができます。
古い価値観の職員は60代前後が多く、変化を嫌う人たちでした。
自分の居場所を守るため、徹底的に攻撃してきました。
まず僕の悪口を新職員に言います。
そこで私は、新職員に対して自分の考える介護を教育しました。
時間はかかりましたが、徐々にデイサービスの文化は変わっていきました。
管理者が現場を変える時、文化は自然には変わりません。
採用と教育でしか変わらない時があります。
デイサービス管理者は孤独を引き受ける仕事です
正直に言います。
管理者は孤独です。
今でも孤独です。
戦略を考える中で、取りたくない方法を取らなければいけない時もあります。
スタッフの問題も、簡単に外部に相談できません。
稼働率が下がると胃が痛くなります。
人は思い通りに動きません。
分かっていても、
「なんでそんな動きするんだよ」
と思うことは何度もあります。
この孤独は、役職がついた瞬間になくなるものではなく、むしろ責任が増えるほど濃くなる感じがあります。
新しいデイサービス管理者に伝えたいこと
新任管理者がまず見るべきこと
同じように苦しい状況にいるなら、いきなり現場を力で変えようとしない方がいいです。
まず見るべきなのは、この5つです。
・誰が情報を止めているか
・誰が利用者に影響を与えているか
・誰が新しい動きに協力してくれるか
・どの業務が前任者に依存していたか
・採用と教育で文化を変える余地があるか
人間関係の問題に見えても、実際には情報共有、役割、採用、教育の問題が絡んでいます。
管理者が最初にやるべきなのは、感情で戦うことではなく、構造を見分けることです。
もしこれから管理者になる人がいるなら、一つだけ伝えたいことがあります。
最後に責任を取るのは自分です。
だから、自分の味方は自分です。
ただ、その中で信頼できる仲間を作ることは大切です。
でも最終的に決めるのは自分。
スタッフの給料も、利用者の生活も、デイサービスの未来も、全部、管理者の責任です。
それが管理者という仕事だと思います。
この記事は、特定の個人や事業所を批判する目的ではなく、管理者が現場で直面する「人と文化の壁」を整理するために、個人が特定されない形で経験を加工して書いています。
まとめ|デイサービス管理者の最初の壁は「人」と「文化」です
デイサービス管理者になって最初にぶつかる壁は何か。
僕は、仕事量そのものより、人と文化の壁だと思っています。
引き継ぎがない。
スタッフが動かない。
利用者まで巻き込まれる。
孤独の中で決めなければいけない。
これはかなりきついです。
でも、勘違いしやすいのは、我慢だけしていればいつか自然に変わると思うことです。
一番危ない見落としは、文化の問題を個人の根性で耐え続けようとすることです。
必要なのは、採用で文化を変えること。
教育で価値観を伝えること。
そして、自分で責任を取る覚悟を持つことです。
管理者は孤独です。
でも、その孤独を引き受けた人しか、現場の文化は変えられないのだと思います。
次に読むべき記事
デイサービス管理者の1日|第10話
→ 管理者になった後、実際にどんな仕事を抱えるのかを見たい方はこちら。
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回っているようで一番危ない|属人化が施設を壊す前兆|第49話
→ 人と文化の問題が、施設全体のリスクになる構造を知りたい方はこちら。
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リハビリ特化型デイサービス管理者の仕事ロードマップ
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