第39話|管理者が一番忙しいのは現場が終わった後 デイサービスの仕事は営業時間内では終わらない

デイサービスの管理者をしていると、
「現場が終わったら一息つけますよね」
みたいに思われることがあります。
でも、現実は逆です。
本当の仕事は、利用者さんが帰ってから始まることが多い。
掃除が終わって、フロアが静かになって、そこからやっと管理者業務に入る。
つまり、営業時間が終わったから仕事が終わるわけじゃないんです。
今回は、僕が管理者をしてきた中でずっと感じていた
「管理者の仕事は現場が終わってからが本番」
という話を書きます。
これは少し暗い話です。
でも、現場で本当に起きていることです。
管理者になって4年間、毎日100%現場のあとに残業していた
これ、特別な日だけの話ではありません。
毎日です。
管理者になってから4年間、毎日現場を100%やって、そのあと残業していました。
利用者さんが来ている間は、現場。
送迎、介助、会話、見守り、対応。
その時間は当然、管理者だからといって免除されるわけではない。
そして、利用者さんが帰る。
掃除をする。
フロアが静かになる。
そこから、ようやく管理者業務です。
やっていたのは、書類全般です。
- 地域密着型通所介護計画書
- 第1号事業計画書
- 各種記録確認
- 日々の整合性確認
それを毎日のようにやっていました。
5年目になって、右腕の職員が育ってくれたことで、ようやく日中に現場へ入る時間が半分くらいになりました。
その分、日中に管理者業務や計画書作成ができる時間は増えました。
でも、楽になったわけではありません。
個別機能訓練計画書や運動器機能向上計画書の文章作成など、実務はむしろ増えました。
評価や目標設定、内容確認そのものは機能訓練士がやっていても、文章化や整合性の調整は残る。
だから、正直な感覚としては、
仕事量は減ったのではなく、むしろ倍に近づいた
という感じです。
利用者さんが帰った後の空気は、明るくない
利用者さんが帰ったあと、掃除をして、フロアの空気が変わります。
あの時間の空気は、正直かなり暗いです。
しんどいです。
特に、救急搬送なんかがあった日は最悪です。
気持ちも頭もかなり削られている。
それでも、
- じゃあ今から書類をやるのか
- 今から連絡を返すのか
- 今から事故報告を整理するのか
になる。
頭なんて回りません。
でもやるしかない。
管理者業務って、体力が残っている状態で始まるわけじゃないんです。
一番削れたところから始まることが多い。
ここが、管理者をやっていないとかなり伝わりにくいところだと思います。
終業後にやっていたのは、残務じゃなく“本体”だった
終業後にやっていたことを並べると、たぶん多すぎると思います。
- 記録確認
- LINE返信
- 家族連絡
- ケアマネ連絡
- 事故があった時の報告書
- シフト作成
- 計画書などの書類業務
- LIFE関係
- 職員との相談
- 送迎の組み直し
- 経営者との相談
- 他部署との相談
これだけじゃありません。
正直、もっとやっています。
自分でもたまに思います。
「これ、普通じゃないの?」
って。
でも現場では、これを特別扱いされることはあまりありませんでした。
残業していても、
「大変ですね」
ともあまり言われない。
むしろ、当たり前のように消費される。
つまり終業後の仕事って、残りの雑務ではないんです。管理者業務の本体なんです。
誰にも理解されず、評価もされにくい
4年間、こういう働き方をしていても、誰かに何か言われた記憶はあまりありません。
「大変ですね」
も少ない。
「そこまでやってるんですね」
も少ない。
むしろ職員からは、
「オタクみたいにパソコンばかり見やがって」
みたいに言われたこともあります。
社長は社長で、残業はさせたくないから
「早く帰れ」
とは言ってくれる。
でも、帰ったら帰ったで業務が終わらないから、家で仕事をすることになる。
家族からは、
- 早く帰ってきて
- 子どもが大変
と連絡が来る。
家に帰っても忙しい。
職場でも忙しい。
正直、休む暇なんて本当にないんです。
車の中で、全部を止めたくなるくらい追い込まれる日もありました。
それくらい精神的に削られる時はあります。
でも、それでも営業時間中は笑顔でいなければいけない。
家に帰っても笑顔でいなければいけない。
本当に、ピエロみたいだなと思う時はありました。
今の僕は、守りの年だから全部を引き受けている
2026年の僕は、かなり明確に割り切っています。
今は守りの年です。
攻める年ではない。
右腕の職員には、今年介護福祉士を取ってもらいたい。
看護師も、機能訓練士という新しい役割にまだ慣れておらず、メンタルが不安定です。
だから僕は、その両方を守るために、全書類を自分が引き受けると決めました。
これは、抱え込みではあります。
でも無計画な抱え込みではありません。
- 右腕の職員には、今年は資格取得に全集中してほしい
- 看護師には、まず仕事に慣れてメンタルを安定させてほしい
- その上で、来年度以降に少しずつ攻めへ変えていく
つまり今は、完全に
負けない構造の作成中
なんです。
だから、質問に正面から答えるなら、
今の僕は全部を自分のやるべき仕事にしている状態です。
日中に終わらなかったものが終業後の仕事、というより、
今の僕には日中も残業も境目があまりありません。
今は抱える年だと決めているから、抱えている。
昔は「何で僕ばかり」と思っていた
正直に言うと、以前は思っていました。
「何で僕ばかり、こんなに仕事があるんだろう」
って。
他の人が帰っていく。
現場が終わる。
でも自分だけ残る。
家でも仕事。
また翌日も同じ。
そうなると、さすがに思います。
ただ、5年目の今は少し見方が変わりました。
今の方が、昔より仕事は倍に増えています。
でも気持ちは少し違います。
今は覚悟してやっています。
全仕事を自分が引き受ける。
この1年はそういう年だと決めている。
逃げない。
踏ん張る。
もちろん、ずっとこのままでいいとは思っていません。
でも今は、そのフェーズだと思っています。
管理者の仕事は、表に見える仕事だけじゃない
この件を通して僕の中でかなりはっきりしたのは、
管理者の仕事は表に見える仕事だけではないということです。
利用者さんと関わる。
笑顔で話す。
事故を防ぐ。
現場を回す。
もちろんそれも大事です。
でも本当に重いのは、その裏側です。
- 書類
- 制度
- 加算
- 連絡
- 調整
- 相談
- 判断
- 後始末
それを全部抱えながら、現場では平気な顔をして動く。
だから管理者という仕事は、現場の顔だけ見ていても分からない。
終業後に何を背負っているかまで見ないと、本体は見えません。
まとめ|管理者の仕事は、終業後からが本番になることがある
今、読者に一番伝えたい結論はこれです。
デイサービスの管理者の仕事は、営業時間内だけでは終わりません。
むしろ、利用者さんが帰ってからが本番になることがある。
以前は、
「何で僕ばかりこんなに仕事があるんだろう」
と思っていました。
でも今は、
今は全部を引き受ける守りの年だと覚悟してやっている
という感覚に変わりました。
もちろん、ずっとこの形で良いとは思っていません。
来年以降、少しずつ渡していくつもりです。
でも今は、右腕の成長と看護師の安定を優先するために、自分が抱えると決めている。
それも、負けない構造を作るための判断です。
管理者の仕事は、目立つ仕事ではありません。
評価もされにくい。
終わりも見えにくい。
でも、その終業後の積み重ねが、現場の安心や制度の整合や、次の1日を支えています。
だから今は、「現場が終わったら仕事が終わる」ではなく、「現場が終わってから、管理者の本体が始まる」と考えています。
もしあなたが今、夜のフロアで一人残っているなら、それは雑務をしているんじゃありません。管理者の「本体」を戦っている証拠です。
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