デイサービスをやっていると、利用者数が少ない曜日というのは、だいたい決まってきます。

うちの場合、それが水曜日でした。

月曜日、火曜日、木曜日、金曜日は午前午後ともに9〜10名。
でも水曜日だけ、午前午後ともに5名前後。

見た目は全体として埋まっているように見えるのに、水曜日だけぽっかり空く。

小規模デイにとって、この曜日偏りはかなり厄介です。

なぜなら、現場は忙しい。
でも売上は伸びきらない。
しかも、その偏りに慣れてしまうと、職員の感覚も、管理者の感覚も、少しずつ緩んでいくからです。

今回は、うちのデイサービスで水曜日がずっと鬼門だった話と、それをどうやって埋めていったかを書きます。

水曜日だけ埋まらない。原因は営業不足ではなく「利用日の組み合わせ」だった

うちのデイサービスは、現在、要介護の方が7割、要支援の方が3割くらいです。

要介護の方は、週1回利用の人は少なくて、だいたい週2回利用の人が多いです。

そうなると、利用日の組み合わせは自然と偏ってきます。

  • 毎週月曜日と木曜日
  • 毎週火曜日と金曜日

こういう組み合わせになる人がほとんどです。

逆に、水曜日を含む利用って、なかなか組みにくい。
連続利用っぽく感じる人もいるし、本人や家族の生活リズムにもはまりにくい。

その結果、月・火・木・金は埋まるのに、水曜だけ午前午後ともに5名前後。
こういう状態が実際にありました。

つまり、これは単純な営業不足ではありません。

利用者さんの希望と、週2回利用の組み合わせのクセが重なって、構造的に水曜が空いていたんです。

見た目は埋まっているのに、水曜だけスカスカだった

全体で見れば、利用マスはかなり埋まっているように見えます。

でも実際は、水曜だけスカスカ。
この感じが、経営的にはかなり気持ち悪いんです。

月・火・木・金はパンパン。
現場も忙しい。
でも水曜だけ人数が少ない。

だから、働いている感覚としてはずっと忙しいのに、売上の伸び方には限界がある。

しかも、水曜に利用者さんを入れようとしても、なかなかマッチしません。

この「全体では埋まっているのに、一部だけ穴が空いている」という状態は、小規模デイではかなり重いです。

埋まりきっていないのに、現場負荷は高い。
だから、経営と現場の両方にじわじわ効いてきます。

「午後なら空いてます」では埋まらない理由

ケアマネさんに、

「午後なら空いています」

と伝えても、なかなか埋まらないことがあります。

実際、こんな反応が多いです。

「この方、午後は夕飯の準備とかがあるから、午前中に利用したいんですよね」

なので、こちらとしては、

「じゃあ、午前の枠が空くまでは一旦午後に入ってもらって、空き次第午前に移りましょうか」

と提案することもあります。

でも、やっぱり難しい。

ケアマネさんとしては、利用者さんに言われた希望曜日や希望時間に沿って計画を立てたい人が多いです。
それは当然だと思います。

無理に希望じゃない時間帯へ入れると、思わぬトラブルやクレームにつながりやすい。
本人の満足度も下がるかもしれない。

だから、「空いてます」と言うだけでは埋まりません。
営業トークの問題ではなく、利用者さんの生活そのものとぶつかるからです。

水曜日は鬼門だった。特に「午前の水曜」はさらに入りにくい

うちの場合、午後よりも午前のほうが入りにくいことが多いです。

さらにそれが水曜日の午前となると、余計に入りにくい。

本当に、水曜日は鬼門の曜日でした。

要支援1の方なら、まだおすすめしやすいこともあります。
でも、週2回利用したい人にとっては、やっぱり月木、火金のほうが生活リズムに合いやすい。

つまり、水曜を埋めにくいのは、紹介が少ないからだけではありません。

そもそも週2回利用の人にとって、水曜が組み込みにくい曜日なんです。

この視点がないと、ずっと

  • 営業が足りない
  • もっと声をかけなきゃ

という話になってしまう。

でも実際は、営業量の問題だけでは解けないパズルでした。

利用者希望を優先するだけでは、水曜は永遠に埋まらない

一般的には、利用者さんの希望を汲んで、希望する曜日に入ってもらうのがいい。
それはその通りです。

僕も基本はそうだと思っています。

でも、それだけをやっていると、水曜日は絶対にスカスカになっていきます。

これが現場の難しいところです。

利用者さんの希望を尊重する。
それは大事。
でも、それだけで運営すると、曜日偏りは固定化する。

しかも、曜日偏りの問題は売上だけでは終わりません。

うちでは、会社の意向として、利用者が4名以下の時は、介護員の人数を少なくするようにお願いベースで休んでもらう、という考え方がありました。

そうなると、少ない曜日は人件費調整の対象になりやすい。
スタッフの出勤人数をどうするか、というストレスも地味に重いです。

さらに怖いのは、施設風土です。

利用者数が少ない日が続くと、

「少ない利用者なら楽だわ」

という空気が出やすくなります。

そうなると、気の緩みが出る。
ヒヤリハットや事故が起こりやすくなる。

実際、僕が管理者になる前、稼働率が50%台だった頃には、スタッフ間で

「これぐらいがちょうどいいんですよ」

という空気がありました。

でも、その結果どうなったか。

サービスの質が下がり、利用者さんを転倒させるなどの事故も起きていました。

人数が少ない=楽でいい、という感覚は危険です。

僕自身も、水曜を「気が楽な日」と思っていた

これは正直に書いておきたいです。

スタッフからは、

「まあ、いつもこんなもんですよね。毎週水曜日は少ないですからね」

という会話が出ていました。

その言葉の根底には、

少ないから楽だな。
でも、稼げないな。

という両方の思いがあったと思います。

そして恥ずかしいですが、僕自身も、毎週水曜日は書類ができるからよかった、と思ったことがあります。

実際、業務スケジュールもそんなふうに組んでいました。

水曜日は少ないから、ここで書類を進めよう。
気が楽な曜日として見ていたところがあった。

でも、今振り返ると、これが構造を固定化させていた面もあります。

管理者が「水曜は少なくて仕方ない」と思っていたら、そこはもう埋まりません。

職員も、管理者も、水曜が少ないことに慣れてしまっていた。
これが一番根深かったのかもしれません。

ただ営業するだけではダメだった。必要だったのは「水曜に意味をつけること」だった

この問題は、ただ営業しても解決しないと思いました。

一般論では、空いている曜日に営業をかければいい、という話になります。
でも現場では、それだけでは埋まりません。

なぜなら、水曜を選ぶ理由が弱いからです。

月木、火金の組み合わせのほうが利用者さんには自然。
午前希望も強い。
だったら、水曜に来る理由をこちらが作らないといけない。

そう考えて、構造を変えました。

水曜を「リハビリ強化曜日」に変えた

現在は、その偏りを解消するために、毎週水曜日は午前午後ともに作業療法士の先生が来所する体制にしました。

リハビリ強化曜日です。

以前の機能訓練士が辞めた後、デイサービスの常勤の機能訓練士は看護師になりました。
その結果、体調管理は強くなった。
でも、以前のリハビリ専門職と比べると、リハビリ面では少し弱くなった。

もちろん、85歳以上の方が半分以上を占めるデイサービスでは、安全優先でリハビリを提供できる点で、看護師中心の強みもあります。
今後の方向性としては、それも大事だと思っています。

ただ、リハビリ特化型として見た時に、やはりリハビリ専門職の存在は必要です。

そこで、毎週水曜にリハビリ専門職を入れることにしました。

これなら、一石二鳥です。

  • リハビリ特化型としての弱さを補える
  • 水曜に来れば専門的なリハビリを受けられる、という他曜日との違いを出せる

つまり、水曜を「空いている曜日」ではなく、「意味のある曜日」に変えたんです。

利用者さんやケアマネには「水曜だけの価値」を伝えた

水曜を変えるなら、案内の仕方も大事です。

利用者さんとケアマネさんには、こう伝えました。

毎週水曜日は、リハビリ強化曜日として、リハビリ専門職の先生が定期的に来てくれます。
また、他の利用日の方にも毎回ではないですけど定期的に来てくれます。
普段は看護師さんがいてくれる。
定期的にリハビリの先生が来てくれる。
その先生が看護師や介護士に専門的なリハビリの知識や計画を教えてくれる。
それに沿って看護師や介護士もケアをしていきます。

こう説明しました。

要するに、水曜だけを特別扱いするというより、

「水曜に来るとより専門的なリハビリが受けられる」

という価値をきちんと伝えたんです。

午後が空いてます、では弱い。
でも、水曜には意味があります、なら話が変わる。

結果、水曜の利用者数は8〜9名まで戻った

この体制にしてから、水曜日はかなり改善しました。

現在は、水曜日の午前中の利用者は8名。
午後の利用者は9名です。

以前は午前午後ともに5名前後だったことを考えると、かなり大きいです。

ここで大事なのは、単に人数が増えたことだけではありません。

「水曜は少ないのが当たり前」という空気が変わったこと。
これが大きい。

曜日偏りって、数字の問題に見えて、実は空気の問題でもあるんです。
その曜日に意味がないと、職員も管理者も、少ないことに慣れてしまう。

でも、その曜日に意味ができると、埋まり方も、見方も変わる。

曜日偏りは、営業不足ではなく「差別化不足」のことがある

こんな感じで、曜日で少ない曜日があるデイサービスって多いと思います。

だからといって、そこに人件費をかけてまで、他の曜日と差別化できるかと言ったら、普通は難しいです。

うちも、前の機能訓練士が辞めたというきっかけがあったから、このような体制になりました。

でも、その経験から思うのは、少ない曜日を他の曜日と差別化するというのは、構造的にかなり良いということです。

例えば毎週水曜日は、元気な人が多い、要支援1の方が比較的多い。
だったら、その曜日は元気な人向けに集団体操の強度を少し上げてもいいかもしれない。

毎日同じ内容をするのではなく、その曜日、その単位の利用者に合わせた変化をつける。
それだけでも、曜日の意味は変わります。

つまり、曜日偏りは「空き曜日の営業」ではなく、「空き曜日の設計」の問題でもあるんです。

まとめ|曜日偏りは根性で埋めるものではなく、意味を変えて埋めるもの

曜日偏りで苦しむ管理者に言いたいのはこれです。

勘違いしやすいのは、空いている曜日は営業を増やせば埋まる、ということ。
一番危ない見落としは、その曜日を職員も管理者も「少なくて当たり前」と思い始めることです。

まず変えるべきなのは、営業量より、その曜日の意味です。

うちの水曜日が埋まらなかったのは、営業が足りなかったからではありません。
週2回利用の組み合わせの中で、水曜が選ばれにくい構造だったからです。

だから必要だったのは、

「午後なら空いてます」
ではなく
「水曜に来る意味があります」

という状態を作ることでした。

曜日偏りは、根性で埋めるものではない。
意味を変えて埋めるものです。

この視点を持つだけで、デイサービスの曜日の見方はかなり変わります。

少ない曜日があるなら、そこを恥じる必要はありません。
でも、その少なさに慣れてしまうのは危ない。

その曜日に何を持たせるか。
誰に刺さる曜日にするか。
どう差別化するか。

皆さんのデイでは、曜日ごとの利用者属性を分析したことはありますか。
どの曜日にどんな専門性をぶつけるべきか。
このパズルの解き方一つで、利益率は劇的に変わります。

そこまで考えて初めて、曜日偏りは動き出します。

そして本当は、こういう曜日ごとの特徴や、どの利用者層が入りやすいかまで見える形にして、誰が見ても分かるようにしておいたほうが強いです。

曜日偏りも、属人化させない。
結局、それがいちばん事業所を守るのだと思います。


次に読むべき記事
第24話:送迎パズルが経営を縛る限界突破の記録
→ 曜日偏りを埋めたら、次は送迎という現場制約が立ちはだかります。

別角度で読む記事
第20話:定員10名デイの売上リアル
→ 平準化の話を、売上構造の側から見たい方はこちらです。

ハブ記事
リハビリ特化型デイサービス管理者の仕事ロードマップ
→ 管理者の仕事全体をまとめて追いたい方はこちら。

ABOUT ME
リハビリデイ管理者
リハビリ特化型デイサービスの現役管理者。 現場運営・稼働率改善・スタッフ管理など、実際のデイサービス経営のリアルを発信しています。 これまで複数のデイサービス事業所で勤務し、稼働率が低迷していた事業所の改善に携わる。 担当した事業所では、稼働率を58.5%から79.8%まで改善。 ケアマネジャーとの関係づくり、紹介数を増やす営業方法、現場オペレーション改善など、 現場経験をもとにした実践的なノウハウをまとめています。 「現場で本当に使えるデイサービス経営」をテーマに、 管理者・生活相談員・デイサービス経営者向けに情報を発信しています。