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稼働率が落ちると、焦ります。

あと何人増やせばいいか。
どこに営業へ行くか。
振替利用をどこまで入れるか。
紹介は断らない方がいいのか。

管理者なら、まずそこを考えると思います。

僕もそうです。

でも今の僕は、
稼働率が落ちた時に最初にやるべきことは、
とにかく営業することではない
と思っています。

稼働率改善は、気合いではなく順番です。

予兆を見る。
固定費を見る。
曜日や時間帯の歪みを見る。
新規受け入れの質を見る。
月末に判断が雑になっていないかを見る。

そこを整理しないまま営業だけ増やすと、
数字は一瞬戻っても、あとで別の場所が壊れます。

今回は、60話〜65話までの流れを束ねて、
デイ管理者が稼働率を立て直す時のロードマップを書きます。

まず結論|デイサービス稼働率改善は営業の前に順番を見る

デイサービスの稼働率改善を、予兆、固定費、時間帯の歪み、新規の質、月末判断、営業調整の順番で整理した図解
稼働率が落ちた時は、営業の前にどこが崩れているかを順番に切り分けることが大切です。

最初に結論を書きます。

稼働率が落ちた時に、管理者が最初にやるべきことはこの順番です。

  1. 予兆を見る
  2. 固定費と損益感覚を見る
  3. 曜日偏り・午前午後の歪みを見る
  4. 新規受け入れの質を見る
  5. 月末の焦りで判断が雑になっていないかを見る
  6. その上で、営業や受け入れ条件の調整に入る

この順番です。

ここを飛ばして
「とりあえず新規を増やそう」
に行くと、だいたいどこかで歪みます。

稼働率低下で一番ありがちな勘違いは「営業不足」と決めつけること

稼働率が落ちると、最初に営業不足を疑いたくなります。

もちろん、営業が弱い月もあります。

でも、実際にはそれだけじゃないことが多いです。

たとえば、

  • 気温変化から体調不良が増えている
  • 午後の利用だけが薄い
  • 半日型の歪みで人件費率が悪化している
  • 契約しても継続しない利用者が増えている
  • 月末に無理な振替を入れて現場が揺れている

こういうことが起きているのに、
営業だけ増やしても根本は変わらない。

だから、最初の勘違いは
「稼働率が落ちた=営業不足」
だと僕は思っています。

STEP1|稼働率悪化の予兆を1ヶ月前から確認する

僕が一番最初に見るのは、予兆です。

利用者さんが急に来なくなったように見えても、
実際にはその1ヶ月前から始まっていることがある。

  • ちょっとしんどい
  • 今日は休む
  • 気温が変わった
  • 家族から「起きてこない」が増えた

こういう小さいサインです。

ここを見ないと、
「急に落ちた」と勘違いします。

でも本当は急じゃない。

だから最初に読むべき記事はこれです。

最初に読むべき記事

第60話|稼働率悪化の予兆|数字が落ちる1ヶ月前に起きている事

数字が落ちたあとに慌てる前に、どこから始まっていたかを整理する記事です。

STEP2|小規模デイの固定費と損益感覚を確認する

予兆を見たあと、次に見るのは固定費です。

ここを見ないと、
稼働率70台でも痛い理由が分からない。

利用者が減れば現場は少し楽になります。

でも、固定費は逃げてくれない。

特に人件費は重いです。

しかも、小規模デイでは
1人減るだけで数字の圧がかなり変わる。

だから、
「今どのくらいの稼働率だと苦しいのか」
を、感覚ではなく固定費込みで見る必要があります。

次に読むべき記事

61話は固定費の痛み、8話は稼働率と経営数字を見る土台の記事です。

STEP3|半日型デイは曜日偏りより午前午後の歪みを見る

その次に見るのは、半日型特有の歪みです。

これはかなり大事です。

午前だけ満員。
午後は4名。

でも現場は午前が忙しいから、
つい「今日も回った」と思ってしまう。

ここが怖い。

半日型デイって、
午前だけ埋まっていても完成しません。

午後が薄いと、

  • 人件費率が悪化する
  • 加算効率が落ちる
  • OTや看護師配置の意味が薄く見える
  • 少人数の働き方に現場が慣れてしまう

こういう歪みが起きます。

その次に読むべき記事

62話は午前午後の時間帯ギャップ、15話は曜日偏りを構造として見るための記事です。

STEP4|新規利用者を増やす前に「継続する新規」かを見る

ここまで来てから、やっと新規受け入れを見ます。

ここを飛ばすと危ない。

稼働率を上げたいから、紹介は欲しい。
これは本音です。

僕もそうです。

でも、新規なら何でもいいわけじゃない。

契約できても継続しない。
家族と本人の温度差が大きい。
制度理解がズレていて契約で飛ぶ。
毎回説得が必要で、管理者時間を食い潰す。

こういう新規は、
数字以上に重いことがあります。

ここで読むべき記事

63話は継続しない利用者が管理者時間を壊す話、65話は契約前の前提共有がズレる話です。

ここを見ずに新規だけ増やすと、
稼働率改善どころか別の崩れ方をします。

STEP5|月末の焦りで振替・受け入れ判断を雑にしない

最後に見るのが、月末です。

月末は、
数字が足りない。
あと少し埋めたい。
振替できないか。

そう思いやすい。

特に12月みたいに年間稼働率が頭にある月は、なおさらです。

でも月末って、

  • 実績入力
  • モニタリング
  • 計画書
  • 現場共有
  • 送迎調整

が重なる時期です。

つまり、管理者の注意力が一番割れやすい。

ここで無理な振替や受け入れをすると、
事故リスクが上がる。

最後に読むべき記事

第64話|デイサービス稼働率の月末帳尻合わせ|管理者が避けたい3つのリスク

月末に数字を取りにいく時、何を壊しやすいかを見る記事です。

営業はいつやるのか|受ける時は受けるが施設の軸は崩さない

ここまで読むと、
「じゃあ営業はしなくていいのか」
と思うかもしれません。

そんなことはないです。

営業は必要です。

稼働率を上げないと、スタッフも守れない。
体制も守れない。

僕も、そこはすごく思っています。

ただ、営業や新規受け入れは
全部を見たあと です。

しかも、ただ断るか受けるかの二択じゃない。

ここが現場の難しいところです。

ついこの間も、
片道30〜40分かかる利用者さんの相談が、仲の良いケアマネさんから来ました。

その方は、どこのデイでも何か気に食わないことがあるとクレームを言い、知らない間にやめてしまうような人でした。

普通に考えたら、きつい案件です。

しかも送迎距離も長い。

でも、その時は
こちらも1〜2月の体調不良で利用者数が55名以下まで減っていた。
ケアマネさんも苦しい立場だった。
お互いに、誰かが少し頑張れば全体が楽になる場面でした。

だから受けました。

でも、何でも合わせたわけじゃない。

その利用者さんは体験時に
「僕は20分マッサージされないと嫌なんだよね」
と言いました。

でも、うちは慰安目的のマッサージはやっていません。

だからそこははっきり伝えました。

  • ほぐしやストレッチで体の動きをよくすること
  • 慰安目的のマッサージはしないこと
  • 施設の軸はそこにあること

そこを説明した上で、体験してもらった。

そして最後に、
「ここに通わせていただきたい」
と言ってもらえた。

この話で言いたいのはこれです。

稼働率改善は、“無理を全部断ること”でも、“何でも受けること”でもない。

どこまでなら無理を引き受けられるかを判断し、受ける時は施設の軸を崩さない。

そこが大事です。

ここで大事なのは、気持ちだけで判断しないことです。

送迎時間、本人の状態、提供できるサービス内容、職員体制、個別機能訓練の目的。
これらがズレたまま受け入れると、あとで現場にも利用者さんにも負担が出ます。

だから僕は、無理を聞く時ほど、「できること」と「できないこと」を先に説明するようにしています。

これは営業トークではなく、事故リスクやミスマッチを減らすための管理者判断です。

稼働率改善で避けたい危ない順番

僕が一番やってはいけないと思う順番は、これです。

  1. とにかく営業する
  2. 無理な受け入れをする
  3. 送迎限界を無視する
  4. 現場疲弊が見えてから考える

これは危ない。

特に、無理な受け入れと送迎限界の無視はやばいです。

事故リスクが上がるからです。

だからこそ、

  • 予兆
  • 固定費
  • 半日型の歪み
  • 新規の質
  • 月末の判断

を先に見る。

その上で、営業や受け入れ条件の調整に入る。

この順番が大事です。

稼働率改善ロードマップ|まず読むべき記事の順番

ここまでを整理すると、66話からのおすすめ順はこうです。

最初に読むべき記事

第60話|稼働率悪化の予兆|数字が落ちる1ヶ月前に起きている事
→ そもそも、どこから崩れ始めていたのかを見るため

次に読むべき記事

第61話|小規模デイサービスの固定費が怖い理由|稼働率低下で詰む構造
→ 稼働率が落ちた時に、なぜこんなに苦しいのかを数字で理解するため

その次に読むべき記事

第62話|半日型デイの歪み|「午前だけ満員」が利益を食い潰す
→ 曜日ではなく、時間帯の歪みがないかを見るため

その次に読むべき記事

第63話|新規受け入れの罠|「契約できた」で安心した後に始まる地獄
→ 継続しない新規が、何を壊すのかを見るため

その次に読むべき記事

第65話|デイサービス紹介が契約に至らない理由|営業と現場のズレ
→ 紹介数ではなく、契約前の前提共有を見るため

最後に読むべき記事

第64話|デイサービス稼働率の月末帳尻合わせ|管理者が避けたい3つのリスク
→ 焦った時に、何を壊しやすいかを見るため

数字を見える化する段階に入ったら

ここまで整理できるようになると、次に必要になるのは
数字を見えるようにすること です。

予兆、固定費、歪み、新規の質、月末判断。
これらを感覚だけでなく、数字でも見られるようになると、判断はかなり安定します。

その意味では、将来的に
第91話|会計ソフト導入の記録
のような話にもつながっていきます。

稼働率改善は、気合いだけでは続きません。
最後は、見える数字で支える必要があります。

まとめ|稼働率改善は営業の前に構造を見る

デイサービスの稼働率が落ちた時、
最初にやるべきことは営業ではありません。

まず見るべきなのは、

  • 予兆
  • 固定費
  • 曜日や時間帯の歪み
  • 新規受け入れの質
  • 月末の判断ミス

です。

そのうえで、

  • どこまでなら無理を聞けるか
  • どこから先は事故リスクが高いか
  • 施設の軸をどこまで守るか

を考える。

これがないと、
数字は一瞬戻っても、別の場所が壊れます。

だから、もし今あなたが稼働率で苦しんでいるなら、
まずは「営業が足りない」と決めつけないでください。

先に構造を見た方がいい。

その順番を間違えないために、このハブを使ってください。

FAQ|デイサービス稼働率改善でよくある疑問

稼働率が落ちたら、まず営業に行くべきですか?

営業は必要です。
ただし、最初から営業だけに走ると、原因を見誤ることがあります。

体調不良の増加、曜日偏り、午前午後の歪み、新規利用者の継続率、月末の無理な振替など、先に確認すべきことがあります。

営業は、構造を見たあとに行う方が判断が安定します。

新規利用者は断らない方がいいですか?

新規利用者は大切です。
ただし、どんな条件でも受けると、送迎・現場負荷・家族対応・事故リスクが一気に重くなることがあります。

大事なのは、断るか受けるかの二択ではありません。

どこまでなら受けられるか、受けるなら何を説明しておくかを整理することです。

半日型デイサービスで稼働率を見る時に注意することは何ですか?

半日型デイでは、全体の稼働率だけでなく、午前と午後の差を見る必要があります。

午前だけ満員でも、午後が薄いと人件費や加算効率の面で歪みが出ることがあります。

そのため、曜日だけでなく、午前午後の時間帯ごとの偏りを確認することが大切です。

月末に振替利用を入れるのは悪いことですか?

振替利用そのものが悪いわけではありません。

ただし、月末は実績入力、モニタリング、計画書、送迎調整などが重なりやすく、管理者も現場も注意力が分散しやすい時期です。

だからこそ、数字を取りにいく時ほど、送迎・人員・利用者状態を確認してから判断する必要があります。

稼働率改善で最後に必要になるものは何ですか?

最終的には、感覚だけでなく数字を見える化することです。

予兆、固定費、時間帯の歪み、新規利用者の継続状況、月末判断を数字で見られるようになると、稼働率改善の判断は安定しやすくなります。

今後は、第91話「会計ソフト導入の記録」のような数字可視化の記事にもつなげていきます。

関連記事|稼働率改善を順番に読む

1. まず、稼働率悪化の予兆を見る

第60話|稼働率悪化の予兆|数字が落ちる1ヶ月前に起きている事

数字が落ちる前に、どんな小さなサインが出ていたのかを確認する記事です。

2. 次に、固定費と損益感覚を見る

第61話|小規模デイサービスの固定費が怖い理由|稼働率低下で詰む構造

稼働率が落ちた時に、なぜ小規模デイほど苦しくなるのかを整理しています。

3. 半日型デイは午前午後の歪みを見る

第62話|半日型デイの歪み|「午前だけ満員」が利益を食い潰す

午前だけ埋まっていても、午後が薄いと経営効率が悪くなる構造を整理しています。

4. 新規利用者の質を見る

第63話|新規受け入れの罠|「契約できた」で安心した後に始まる地獄

契約できても継続しない新規が、管理者時間や現場負荷をどう重くするかを整理しています。

5. 契約前の前提共有を見る

第65話|デイサービス紹介が契約に至らない理由|営業と現場のズレ

紹介は来ても、料金・制度・現場条件の前提がズレると契約で止まることを整理しています。

6. 最後に、月末判断のリスクを見る

第64話|デイサービス稼働率の月末帳尻合わせ|管理者が避けたい3つのリスク

数字を取りにいく時期ほど、振替・送迎・現場負荷の判断が雑になりやすいことを整理しています。

7.特定利用者依存のリスクを見る

第67話|デイサービス稼働率の依存リスク|特定利用者に頼る小規模デイの落とし穴

ABOUT ME
リハビリデイ管理者
リハビリ特化型デイサービスの現役管理者。 現場運営・稼働率改善・スタッフ管理など、実際のデイサービス経営のリアルを発信しています。 これまで複数のデイサービス事業所で勤務し、稼働率が低迷していた事業所の改善に携わる。 担当した事業所では、稼働率を58.5%から79.8%まで改善。 ケアマネジャーとの関係づくり、紹介数を増やす営業方法、現場オペレーション改善など、 現場経験をもとにした実践的なノウハウをまとめています。 「現場で本当に使えるデイサービス経営」をテーマに、 管理者・生活相談員・デイサービス経営者向けに情報を発信しています。