デイサービスの管理者になったばかりの頃、正直に言うとケアマネが怖かった。

今でこそ落ち着いて対応できるが、管理者になりたての頃は右も左も分からない。
そんな状態でケアマネとやり取りするのは、かなりのプレッシャーだった。

ただ、今振り返ると分かる。
あの怖さは、単に相手が怖かっただけではない。

制度の差、情報の差、立場の差、売上構造の差。
いろいろなものが重なって、ケアマネが怖く見えていたんだと思う。

今回は、現場の管理者として実際に感じた「ケアマネが怖いと思った理由」を、そのまま書いてみたい。

感情的な対応が、一番しんどかった

新人管理者の頃、一番きつかったのは、感情的に接してくるケアマネだった。

利用者さんの体調変化があった時、

「どうしてこうなったんですか?」

と強い口調で言われることもある。

体調変化は、必ずしもデイサービスの責任ではない。
それでも感情的に詰められると、管理者としてはかなりつらい。

転倒が起きた時も同じだ。
こちらの責任がある場合でも、激しく詰められると現場はかなり疲弊する。

新人管理者にとって怖いのは、事故そのものだけじゃない。
その後に来る言葉や空気まで含めて怖い。

「制度を知っていて当然」という空気がきつかった

もう一つきつかったのは、

「制度を知っていて当然」

という前提で話が進むことだった。

ケアマネは制度の専門職だ。
でも、管理者になりたての頃は制度の理解が浅い。

例えば、

  • 住所地特例
  • 単位の話
  • 限度額の調整

こういった話をされても、当時はほとんど理解できなかった。

「住所地特例ですけど大丈夫ですか?」
と言われても、

「住所地特例って何ですか?」と聞き返すことすらできなかった。

分からない。
でも今さら聞けない。
聞いたら、もっとできない管理者だと思われそう。

この感覚はかなり重い。

新人管理者にとっては、制度用語そのものより、「知らないことがバレる怖さ」のほうがしんどい時がある。

利用者情報がほとんどないまま体験利用を受けるのも怖かった

新規の体験利用の依頼で、驚いたことがある。

渡された情報が、名前と住所だけというケースだ。

これは正直かなり怖い。

病歴も分からない。
持病も分からない。
リスクも分からない。

例えば、

  • 心不全
  • てんかん
  • 骨折歴

こういう情報がない状態で受け入れるのは、現場としては大きなリスクになる。

そのため、うちの事業所では最低限ROMを取って状態を確認するなど、こちらで対応していた。

でも本来は、受ける側だけで全部を埋めるには限界がある。

新人管理者の頃は、こういう時にすごく思っていた。

「何も分からんまま受けるの、怖すぎるやろ」

それでもケアマネに嫌われるわけにはいかない

デイサービスの管理者にとって、ケアマネとの関係はとても重要だ。

理由はシンプルで、紹介が売上に直結するからだ。

利用者さんに好かれていても、ケアマネとの関係が悪くなると紹介は止まる。
逆に、ケアマネとの関係が良いと紹介は続く。

だからこそ、多くの管理者はケアマネとの関係にとても気を使う。

ここが、このテーマのややこしいところだと思う。

怖い。でも、関係を切るわけにはいかない。

嫌だと思っても、強く出られない。
しんどくても、雑には扱えない。
この構造があるから、余計に怖さが増す。

新人管理者に必要なのは、まず一人でも話しやすいケアマネを作ること

今振り返って思うのは、仲の良いケアマネを一人作ることがとても大事だということだ。

ケアマネも忙しい。
そして、時には無理なお願いをしてくる。

例えば、

  • 送迎範囲外の利用者
  • 限度額ギリギリの調整
  • インフォーマルなお願い

こういった相談が来ることもある。

もちろん、すべてを受ける必要はない。
でも、できる範囲で協力する姿勢は大事だと思う。

新人管理者の時は、全方位に好かれようとするとしんどい。
だからまずは、一人でも話しやすい相手を作るほうが現実的だ。

その一人がいるだけで、空気はかなり変わる。

ケアマネ試験の勉強を始めてから、見え方は変わった

最近、ケアマネ試験の勉強を始めてから、ケアマネを見る目が変わってきた。

以前は、

「なんでこんなこと言うんだろう」

と思っていたことも、

「制度上そうなるのか」

と理解できるようになってきた。

ケアマネは制度に縛られる立場だ。

そう考えると、無理なお願いにも

「制度の事情があるのかもしれない」

と考えられるようになった。

ここは大きかった。

前は怖さしかなかった。
でも今は、怖さの中身を少しずつ分解できるようになってきた。

知らない相手は怖い。けれど、構造が見えると怖さは少し減る。

本当に怖かったのは、ケアマネそのものより「自分の弱さ」だったのかもしれない

今なら思う。

あの頃、僕が怖かったのは、ケアマネそのものだけじゃなかった。

制度を知らない自分。
説明できない自分。
利用者情報が少なくても止められない自分。
売上との関係を分かっているから強く言えない自分。

そういう、管理者としての未熟さや弱さを毎回突きつけられる感じが怖かったんだと思う。

ケアマネが怖いというより、対等に話せない自分が怖かった。

これはかなり本音に近い。

まとめ|新人管理者がケアマネを怖いと感じるのは自然です

新人のデイサービス管理者にとって、ケアマネは怖い存在になりがちだ。

でもそれは、気が弱いからでも、向いていないからでもない。

制度差がある。
情報差がある。
立場の違いがある。
しかも紹介が売上に直結する。

そういう構造の中でやり取りしている以上、怖く感じるのは自然だ。

ただ、そのままだとしんどい。

だから必要なのは、

  • 制度を理解すること
  • 関係性を作ること

この2つだと思う。

勘違いしやすいのは、慣れれば全部解決すると思うこと。
一番危ない見落としは、怖さの正体が構造にあるのに、気合いで乗り切ろうとすることだ。

私自身、ケアマネ試験の勉強を通して、そのことを実感している。

怖さはゼロにならない。
でも、制度を知り、関係を作り、構造で見られるようになると、かなり変わる。


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リハビリデイ管理者
リハビリ特化型デイサービスの現役管理者。 現場運営・稼働率改善・スタッフ管理など、実際のデイサービス経営のリアルを発信しています。 これまで複数のデイサービス事業所で勤務し、稼働率が低迷していた事業所の改善に携わる。 担当した事業所では、稼働率を58.5%から79.8%まで改善。 ケアマネジャーとの関係づくり、紹介数を増やす営業方法、現場オペレーション改善など、 現場経験をもとにした実践的なノウハウをまとめています。 「現場で本当に使えるデイサービス経営」をテーマに、 管理者・生活相談員・デイサービス経営者向けに情報を発信しています。